<< 地下街チカチカ | main | 紅葉八幡宮の紅葉 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |

恍惚の人

パーキンソン関連の病気を患い、
介護施設に入所していた父が
肺炎を起こして救急病院に搬送されたあと、
いろいろな理由・事情で長期療養型病院に移して2ヶ月あまり。
一度体調を崩すと一気に余命が短くなっていくのが目に見えてわかる。
今はもう私のことなどもちろん認識しないし
会話もできない。
ただ眠っているか、目を見開いて天井の一点を凝視しているかの違いしかない父。
日によっては身体全体をこわばらせて奇妙な動きを繰り返すこともある。

父を見ていると「恍惚の人」という小説のタイトルを思いだした。
そう、まさに「恍惚」。

その様子をみてあまりの恐怖に動揺し、倒れる寸前の母。
母の精神状態をなんとか安定させてあげるのが私の役目だと思う。

「病気にかかってしまったんだから仕方ないでしょ」と
父の急激な変化が、決して母のせいじゃないことを説き続ける。
そして「死」についても淡々と準備をすすめることに徹する。
葬儀社の資料を集めたり生前見積りをしたり遺影を用意する。
「12月中に死んじゃったら困るんだよなー。いろいろ行事あるから」
と、親不孝娘になりきる。
母を連れてランチにでかけ
「もうお父さんのお見舞い、そんなしょっちゅう行かなくていいよ。
どうせ行ってもわかってないんだし会話もできないんだから。
行ってお母さんが疲れてストレスたまるのは一番損だよ。週1でいいんじゃない?」
と食事をほおばりながら言うと、母の顔が少しほころぶ。
あー、よかった。


家に帰って1人で夜中にお風呂にはいると
父の恍惚の表情を思いだす。
「父は今、何を考えているんだろう?」
「今の父にとって『生』は幸せなんだろうか?」
薄情な親不孝娘は、しばらく涙が止まらなかった。



スポンサーサイト

| - | 02:36 | - | - |

Comment

パーキンソンだったのですね。
やたらにわたしの周りにパーキンソンの人が多い。
というより、多くなってきているのかな。
大変だね。
支えるほうも、支える人を支えるほうも。

| カルマ岡政。 | 2007/11/25 9:35 PM |

Submit Comment









Trackback URL

http://thenightfly.jugem.jp/trackback/523

Trackback